中小企業向けAI契約書レビュー入門。無料ツールでコスト削減する際の注意点と限界

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うーん、AIで契約書レビューね…。最近よく聞くけど、正直どうなんだろう。中小企業だと、法務部なんてないし、いちいち弁護士に頼むのもお金がかかる。だから、無料ツールは、まあ、気になるよね。

ちょっと考えを整理してみるか。メモみたいなもんだけど。

で、結局AI契約書レビューって何なの?

要は、契約書のファイルをアップロードしたら、AIが「ここ危ないかも」「この条文足りないんじゃない?」って教えてくれるやつ。 SPELL CHECKの契約書版、みたいなイメージかな。便利そうではある。瞬時にリスクとか抜け漏れを指摘してくれるらしいし。

特に、NDA(秘密保持契約)とか、簡単な業務委託契約みたいな、よくある契約書なら、これで十分な気もする。GVA NDAチェックみたいに、NDAに特化して無料で使えるサービスもあるみたいだし。

無料ツール、本当に使える?

問題はここだよね。無料。「タダより高いものはない」って言うし。ただ、中小企業とか個人事業主にとっては、コスト削減できるのはめちゃくちゃ大きい。 弁護士に頼む前の下調べとして使うだけでも、時間はかなり短縮できそう。

紙の契約書とにらめっこする過去と、AIが整理してくれた未来
紙の契約書とにらめっこする過去と、AIが整理してくれた未来

調べてみると、LawFlowとかLeCHECKみたいに、無料プランから始められるツールもいくつかあるみたいだね。 こういうのを試しに使ってみて、自社に合うか見るのはアリかも。抜け漏れチェックとか、不利な条項を見つけるとか、そういう基本的なことは結構やってくれるらしい。

ここが怖い、無料の限界

でも、やっぱり限界はある。AIって、結局プログラムだから。こちらの「事情」は汲んでくれない。 これが一番大きいかな。

例えば、AIは契約の背景にあるビジネス上の力関係とか、この取引が自社にとってどれだけ重要かなんて分からない。 1万円の取引と1億円の取引で、同じリスク指摘されても、こっちの受け止め方は全然違う。

あと、日本では弁護士法72条っていうのがある。 弁護士じゃない人が報酬をもらって法律事務をしちゃダメ、っていう決まり。 AIのレビューがこれに触れるんじゃないかって話もずっとあるみたいだ。 だから、AIが出すのはあくまで「情報提供」であって、「法的アドバイス」じゃない。 最終的に判断してハンコを押すのは、自分。この責任はAIは取ってくれない。

無料ツールだと、最新の法律改正に対応してなかったり、データのセキュリティがちょっと心配だったりする可能性もゼロじゃないしね。

AIは虫眼鏡、でもビジネスの全体像を見るのは自分自身の目
AIは虫眼鏡、でもビジネスの全体像を見るのは自分自身の目

じゃあ、どう使い分けるのが賢いの?

全部AIに任せるのは無理。でも、全部弁護士に頼むのも大変。となると、やっぱり使い分けだよね。

僕がやるなら、こんな感じかな。

  1. 一次スクリーニングとしてAIを使う。 まずはAIに通してみて、明らかにヤバそうなところがないか、お決まりの条文が抜けてないかを確認する。 これだけでも、見落としは減るはず。
  2. リスクの低い定型契約で使う。 毎月のように交わす秘密保持契約書(NDA)とか、簡単な業務委託契約書。 こういうのはAIで十分かもしれない。
  3. AIの指摘を鵜呑みにしない。 「不利な条項」って言われても、それがビジネス上は受け入れなきゃいけない条件かもしれない。AIの指摘をきっかけに、「なぜこの条文が必要なのか」を考えることが大事。
  4. 「これはヤバい」と思ったら、迷わず専門家に。 会社の根幹に関わるような契約、例えばM&Aとか、多額の投資契約とか。これはもう、AIの出番じゃない。最初から弁護士に相談する。AIが出したレポートを一緒に持っていけば、話が早いかもしれないけど。

まあ、賢い使い分けってこういうことなんだろうな。完全に頼るんじゃなくて、あくまで「アシスタント」として使う。

契約書の重要度に合わせて、使うツールも変える
契約書の重要度に合わせて、使うツールも変える

下の表に、自分なりの使い分けの基準をまとめてみた。

こんな時は「無料AIツール」で様子見 こんな時は「弁護士」に相談
NDAとか、毎度おなじみの定型契約。 会社の命運を左右する、M&Aや資金調達の契約。
契約金額が比較的小さいもの。勉強代と思える範囲。 契約金額がデカい。失敗したら倒産するかも、みたいなやつ。
相手との力関係が対等か、こっちが強い場合。 相手が超大手。こっちが弱い立場で、不利な条件を飲まされそうな時。
とりあえず、法的な抜け漏れがないかざっと見たい時。 業界の特殊なルールや慣習が絡む、複雑な契約。
弁護士に相談する前の、予備チェックとして。 AIが出してきた「リスク」の意味が、そもそも理解できない時。

結局、AIは「校正支援ツール」なんだと思う。 誤字脱字をチェックしてくれるけど、文章の面白さまでは保証してくれないのと同じ。契約書のリスクは見つけてくれるけど、そのビジネスが成功するかまでは教えてくれない。最後は、自分で考えるしかないってことだね。


それで、あなたは今、一番気になってる契約書ってありますか?いきなり弁護士はハードルが高いなら、一度無料のAIツールでスキャンしてみるのも、一つの手かもしれませんね。

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